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「生活のなかにあるキャンドルをデザインする」キャンドルアーティスト maSmiさん

様々な業界で活躍中の大人にインタビューする「大人の散歩道」。現在、第一線で仕事する大人はこれまでどんな生き方をしてきたのか。今も昔も変わらない大切なことを伺っていきます。  
今回は、キャンドルアーティストmaSmiさんのお話です。maSmiさんはキャンドルアーティストの旗手として作品作りに邁進するほか、様々なジャンルのアーティストともコラボレーションし、キャンドルの魅力を発信。2007年には、フランスのギャラリーデビューも果たすなど、その人気は国内にとどまりません。さらに、自身が主宰するキャンドル教室では、丁寧な指導で数多くの後進を育成していらっしゃいます。そんなmaSmiさんに、キャンドルとの出会いや、その魅力、素敵な使い方についてお伺いしました。

2006年からキャンドルアーティストとして活動しています。今でこそ、キャンドル教室などが人気ですが、当時はそういう活動をしている方はほとんどいませんでした。私も最初は、自分で楽しむためにキャンドルを作っていたんですけど、作品を見た方から、講師やイベント出品のご依頼をいただき、そこから、音楽、広告といった様々なジャンルの方からのお仕事も舞い込んで、さらに、取材の申し込みも……という形で今に至っています。自分から営業活動をしたことはないのですが、そうやってキャンドルを通してお仕事がつながっていくのは、とてもありがたいと感じています。

灯したときに光るデザイン

まず、キャンドルで一番大事なのは、安全性です。最近は、お花や葉っぱなどで飾られた可愛いデザインのキャンドルが多いですが、燃え移りやすいので危ない。しかも、火を灯すと溶けてデザインが崩れてしまうことが非常に多いんです。私の作品の場合は、火をつける前はもしかしたら地味に見えてしまうかもしれません。だけど、私は、どう安全に灯せるか、火を灯した時にどう綺麗に見えるか、ということをメインに考えているんです。たとえば、キャンドルの材料として使うワックスは、種類によって融点(溶け始める温度)が違うので、それを組み合わせてデザインを作ることができます。他の部分よりも融点の低いワックスで花びらの蕾のような形を作ると、火をつけたときに、その部分だけが先に柔らかくなる。すると、花がゆっくりと開いていように見えるんです。

真似されるのは誇らしいこと

自分で考えたデザインを真似されることがよくあって、最初は、ちょっと嫌だなと感じていました。自分の作品には誇りを持っていますから。だけど、あるとき、真似する人のことを気にするよりも、その時間を使って、新しいものを生み出したほうが自分の力になると気づいたんです。むしろ、真似されるということはそれだけ素敵な作品だと思われているんだって考えてしまったほうがいい(笑)。私の作品の真似で有名になった人がいたとしても、その元を作ったのは自分なんだから、私が素敵なんだって(笑)。そう考えたほうが幸せだなと。

日常の中にあるキャンドル

キャンドルアーティストになる前から、キャンドルは好きで、高校生の頃からよく集めていました。さらにその後、イギリスに留学して、日本とは違ったキャンドルの使い方を知って、より惹かれたんです。イギリスでは、キャンドルを「明かり」として普段から実用的に使います。だから、大きさもホールケーキくらいで、一本のキャンドルにたくさんの芯が刺さっているのが普通。食事の時には照明を落としてテーブルの真ん中にたくさん並べますし、テレビを観るときもそう。それに、キャンプでも、夜のピクニックでも、みんなキャンドルを持って出かけます。日本とは違って、ヨーロッパや北欧ではそういう使い方をするんです。

日本に無ければ自分で作ってしまう

帰国してからも同じように使おうと思っていたら、イギリスにあったような大きなキャンドルが、日本には無いことに気づいたんです。当時は、仏壇蝋燭や小さなキャンドルしかなくて。イギリスから輸入しようかとも思ったのですが、お金もかかるし色々大変なので、それならば、自分で作ってしまおうと決めました。
もちろん、最初は苦労の連続でした。まずは、その当時わずかにあったキャンドル教室に行った。さらに、それで足りない部分は、本を読んで研究しようと思ったんですけど、日本語のものは出ていなかったので洋書を取り寄せて勉強しました。そうこうしているうちに、キャンドル作りを教えて欲しいと言う人が現れて、スクールを開くことになったんです。

大きく羽ばたく生徒

キャンドルスクールを開くにあたって、どういう講義を展開していけば生徒さんが理解しやすいのかすごく悩みました。作るのに時間がかかりすぎると飽きてしまいますし、でも、要点を漏らさず体系的に教えていかなければならないですし。朝から晩まで何百個もキャンドルを作りながら、カリキュラムを考えた。その経験は自分のためにもなったと思います。これまで、何百人もの生徒さんが全国各地、さらに海外からも通いに来てくださっていますが、最初はちょっと習ってみようかなという感じだった方が、あっという間にイベントに出品するようになったり、プロになったりと、どんどん大きくなっていっています。そういう過程を見るのは嬉しいですね。

キャンドル浴のすすめ

私自身は年中、昼夜問わずキャンドルを使っていますが、特に冬はキャンドルにぴったりの季節だと思います。少し寒いくらいなら、キャンドルを灯せば暖かくなる。明るくなるうえに暖をとれるんです。
最近では、お風呂でキャンドルを使う人も増えています。電気を消して、浴槽の側でキャンドルを灯して入浴すると癒されるという。私も水に浮かぶタイプのキャンドルをデザインしています。芯以外は全て蝋で作ったものなので、そのままお風呂に浮かばせることができるんです。また、旅に出る時にキャンドルを連れて行って、旅先で灯したりするのも素敵だと思います。

私は、キャンドルアーティストとしてこれまで、流れに流されて、クラゲのようにゆらゆらここまで来たので、これからもどんどん流されて行くんだと思います。自分でもどこに進んで行くのかわからないので、わくわくしながら気持ちのいい流れに乗って活動していきたいです。

キャンドルアーティスト
maSmiさん
http://candle.chips.jp/index.html

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